イクメンと呼ばれたくない男の育児ブログ

育児休職を取得したゲスな男のお話。イクメンという言葉を死語にしたいので思ったことを本音で書いていく。特に男性に読んで欲しい。

男の育児を褒めるなら女の仕事も褒めろ。というか両方褒めろ。

 

育児を褒められて気が付いた酷い実態

俺が育児をしていると「あら抱っこ上手ね」とか「流石だね、手つきが慣れている」など褒められる事が多い。両親や親族、友人や知人からも言われたし、保育園の面接でも言われた。でも妻は、あるいは女性は育児をしても褒められない。俺と同じ事をしているのに褒められない。

 

やはりネットでも、なんで男だけ褒められるんだと思っている人は多い。それどころか、女性は中途半端な育児だとバッシングまでされてしまう。

 

で、改めてこの実態を文章にしてみたら、実に酷いと気が付いた。

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男が育児をしたら褒められる
女が育児をしても褒められない

男は雑な育児をしても褒められる
女は雑な育児をしたら叩かれる
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育児という言葉を家事に置き換えても良い。酷い話には変わらない。

 

俺が育児をしているのを褒めてきた女の友人たちがいる。彼女たちにこの話を伝えると「うわ、ハッとしたわ!」と言われた。誤解のないように捕捉すると、彼女たちも「育児をしない男とかありえないよね~」と口にしているタイプだ。彼女たちですらこのリアクションだ。もうね、先は長いとしか言いようがない。


ちなみに、男の友人からは「いや、そんなもんだろ」と言われた。彼にはどうにも俺が言いたいことが伝わらないので、育児を仕事に、女を男に置き換えて説明してみた。

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女が仕事をしたら褒められる
男が仕事をしても褒められない

女は雑な仕事をしても褒められる
男は雑な仕事をしたら叩かれる
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「女が男と同じ仕事をして、女だけが褒められるなんて不公平だよね。育児の例で伝えたかったのはこういう事よ」と言ったら、ようやく腑に落ちたようで「あ~確かにこれはおかしいわ。うん、酷い話だ。」という素敵な感想が返ってきた。やはり育児を仕事に置き換えて説明すると、男性には色々と伝わりやすいのかもしれない。

 

しかし我が男友達はなんと素直な人間だろうか。きっと結婚詐欺にあうタイプだ。将来が心配だよ。


期待して悪い事はない

さておき、これの本当におかしいのは、片方だけが褒められる点だ。

 

仕事でも育児でも、それが等価値で、かつ男女に差が無いのであれば、片方だけ褒めるのはおかしい。女性が育児をしても褒めないけど、男性が育児をしたら褒めるというのは、男性は育児ができないと思われているからだ。言い換えれば「元々、君には期待していなかったよ」という意味に他ならない。

 

「男が育児をできるとは意外だ!凄いね!」なんて、男性に失礼だろ。

「女が仕事をできるとは意外だ!凄いね!」なんて、女性に失礼だろ。

 

期待されていない、という事は、それが育児であれ仕事であれ、人のモチベーションを下げるだけで、何も良い事がない。

 

会社での風景を想像して欲しい。

 

もし上司から「君には期待していないよ」なんて言われた日には、一気にやる気を無くす。そんな事を同僚や部下に言う奴はまともじゃないだろ。もしかしたら「コンチクショー!!」と発奮するかもしれないが、みんながみんな、そうというわけでもない。

 

もし上司から「この仕事は難易度が高い。でも君には期待している。」と言われたら、まだやる気が湧くんじゃないだろうか。少なくとも、やる気を無くす人はそうそういないはず。

 

期待しても悪いことが無いのであれば、期待すれば良いじゃないかと思うわけで。そっちの方が建設的じゃないか。俺は妻に大きな借りがあると思っていたら育休を取ったけど、もしも出産前に妻から「あなたに育児は期待していない」なんて言われていたら育休を取るかは分からなかったと思う。というかこんな事を思う人がパートナーに育児しろとか仕事しろとか言ったらダメだろ。


お互いに褒めれば良いじゃない

というかさ、お互い褒め合おうぜ。頑張った人を褒めるなんて当たり前の事じゃないか。褒めたら調子に乗るだろとかいう奴がいるけど、どんだけひねくれてんのさ。弟子をゴルフクラブで引っ叩く親方ですら弟子の事は褒めてんぞ。頑張ったのに褒められなかったらやる気を無くすよ。俺たちは修行僧じゃないんだよ。頑張ったら普通は褒めるでしょ。

 

同僚との飲み会ですら「お前、最近、仕事すげー頑張ってるよな」とか男同士で褒め合うのに、女性の育児については、男性は妻を褒めようとしない。これはおかしい。

 

ママ友会などで「田中さん、最近、育児を頑張ってるわね。偉いわ!」と女性同士が褒め合っているかは知らないが、(文章にしてみると、どうにも上から目線だから多分ないんだろうけど) 妻に聞く限りでは、旦那の仕事っぷりを褒める女性は少ないそうだ。上記の流れで仕事と育児を同等だと考えると、やっぱりこれもおかしい。大いにおかしい。

 

ちなみに俺は育休を取ったことで、同僚から褒められた。妻は俺より一足先に復職したので実際の話を聞いてみると、育休を取らずに復職したことについては周りから一切褒められなかったらしい。仕事と育児が等価値だとしたら、これもおかしい。何ひとつ、公平に扱われていないじゃないか。

 

繰り返しになるけど、同じ事をしたのに片方だけが褒められる構図は不公平だ。育児と仕事が本当に等価値なら、育休を取る男性を褒める以上は、復職した女性も褒めるのが筋だろう。

 

男も女も、育児や仕事をしたら褒められる

男も女も、雑な育児や仕事をしたら叩かれる

 

やるべき事をしたら最後は互いを褒め合う。雑なことをしたら怒る。

これが一番、フェアで健全な関係じゃないなかな。