イクメンと呼ばれたくない男の育児ブログ

育児休職を取得したゲスな男のお話。イクメンという言葉を死語にしたいので思ったことを本音で書いていく。特に男性に読んで欲しい。

仕事大好きな男は「出産と育児」を「仕事」に置き換えたら考え方が変わったというお話

自分は30代男性のサラリーマンである。そして結構な仕事人間。残業は月100時間超えるのはザラだし、休日出勤だってやる。そんな俺も、子供が生まれてからすぐ育児休職を取っている。半年ほど休む予定でこれを書いている時点で休職2か月が経過。育休を取ると決めた理由は簡単。仕事に例えたら絶対に取るべきだと思ったから。

 

そもそも男が育児休職を取る理由、取らない理由 

育休を取るか否かなんて、こんなの人それぞれだと思うのよ。身も蓋もないけど、家庭の方が大事とか、男女平等主義、世帯所得、キャリア。基準や優先順位なんてなんでも良いよ。個人の生き方なんだから。世間や他人が育休を取った理由なんてあまり関係ない。自分が個人としてどう生きたいかで決めるで良いと思う。ただその生き方や考え方は、結婚する前に相手に伝えるのが筋だとは思うけど。

 

男にとって育児は仕事以下なのか?

ブログやツイッターを見てみると、育児界隈では相当数の女性が男性に対してヘイトを溜め込んでいる。何もしない男性にはそのヘイトを拳に乗せて数発は叩きこんでも良いとは思うわけだが、でも俺も含めて男性側も色々と努力はしているんだよ。それでもまだ多くの自称イクメンやその卵達は女性に恨まれている。(俺はイクメンという言葉が嫌いだが)

 

育児に対する貢献度や理解度が足りないってのが根幹だと思うんだけど、じゃあなぜこんな事になっているのか?個人的には「多くの男は育児を仕事ほどにシリアスに考えていないから」だと思っている。

 

これ、「育児」を家事や家族サービスに置き換えても成立する。

 

家事をしない男が試しに掃除してみたが、まだ汚い。なぜか?仕事ほどにシリアスでもマジでもないから。だって大抵の仕事大好きサラリーマンが社長室や役員の机の掃除とか命令されたら、髪の毛一本残らず徹底的に掃除すると思うよ?

 

家族サービスだってお得意先への接待ゴルフレベルでやったら凄いことになるぞ。早朝に起きるのは当たりまえ。おいしいお店の予約も完備。送迎もするし景品も用意する。なんならサプライズゲストだって呼んじゃう。撮った写真もプリントアウトして翌日にはお礼の連絡と併せて送るよ。

 

じゃあなぜここまでしないのか。だって仕事ほど本気じゃないから。

 

 

試しに出産と育児を「仕事」に置き換えて考えてみた

 

出産と育児は仕事と同じだと考えてみた。この考え方を試してみるとメリットは色々あったけど、大きくは2つ。

 

1.最も慣れ親しんだ仕事に例えて考えるから自分なりに合理的な発想に至りやすい

2.妻を同僚に置き換えるからフェアな関係性が築きやすい 

 

俺の場合、物事をこんな感じに例えてみた。

 

・妻=大事なビジネスパートナー、同僚

・夫婦=共同CEO

・妊娠=お店やサービスなどの商売を始めるまでの準備期間

・出産=開店日、サービス開始日

・育児=実際のサービス運営期間

 

 

これが考え方のベースになったんだけど、言わずもがな、これって夫婦の共同プロジェクトやんけ。で、この仕事に置き換えるって方法で続きを考えてみると「あ、育休は取らなきゃ・・・」という結論に至った。以下が主な理由3つ。

 

1.妻(同僚)とは公平な関係でいるべきだが最初からトンデモナイ借りがある

妊娠と出産って凄いじゃん。だって下手すれば出産前後に死ぬ可能性もあるし、妊娠しても流産や障害があれば母体が悪いと責めてくる人もいる。妊娠中は腰が痛くなり精神も不安定になれば、帝王切開やら会陰切開もある。で、髪も抜ける。(他にもあるけど略)

 

仕事に置き換えると「このプロジェクトは二人一組で取り組みますが特定の一人は下手すれば死にます。あとそいつは開業準備中(妊娠中)は体が重くなり、吐き気を覚えたりと日常生活が辛くなります。開店(出産)までにプロジェクトが中断したり開店後(出産後)になんらかの欠陥が見つかれば周囲からテメーのせいだと異様なバッシングを食らうリスクもあります。開店時(出産時)は体を激痛が襲います。あと一定の確率で腹か性器を切られます。加えて本プロジェクト中は一定の確率で身体や精神を病むし、あと開店後(出産後)はハゲます」となる。

 

こんなふざけた仕事を押し付けられたら中指突き立てて退職するわ。なんだよ腹か性器を切られた挙句にハゲる仕事って。

 

なので、同僚が自分の代わりに命と頭髪を失うリスクを背負ってくれたと想像してほしい。これはもう一生モノの借りだ。

 

俺は妊娠も出産もしていないので最低限、育児(開店後の運営)は多少こちらの負荷が多くてもやったろうと思うのよ。もちろん、出血多量とかで死ぬことは無いからどれだけ育児しても妊娠や出産の代わりになるとは思ってもいない。が、相手に一生モノの貸しがあるってそれもう対等な関係じゃないよ。下手すれば相手が上司だよ。心の中で一生負い目を感じるなんて俺は嫌だよ。

 

2.口も手も金も出すのが筋

共同CEOなので、意見を言うのは当たり前。あと共同CEOに例えたので「俺は資金調達で相棒は運営が役割分担」とか言われるかもしれないけど、上でも書いたように同僚にはデッカイ貸しがあるので資金調達だけすれば良いという発想はおかしい。起業の段階で上下関係があるやん。「資金調達だけする奴」と「開店準備も全て行い、開店日も一人で取り仕切り、あげくにその後の経営運営を行う奴」だと同じ立場じゃないだろ。

 

あと育児(運営)に必要な人員数も実際にやってみないと分からない。これも仕事に例えてみると、俺は初めての開店なので分からない事だらけ。普通に考えたら誰でもまずは一度は現場仕事を経験するでしょ。一人で足りるのか、二人必要なのかは経験してから判断しないとまずいべ。

 

というか、現場仕事をしたことが無い奴と二人三脚で起業や仕事をしたい人なんていないだろ。俺は嫌だよ。あと仕事知らない奴に口出しされたらムカつくじゃん。それにだ、現場を知らない関係者や同僚と組んだらまず失敗するぞ。大枚はたいてせっかく起業したのに失敗したくないじゃん。お前のせいで失敗したとか言われたくないじゃん。

 

という思いもあったので、育児くらいはやってみようと。

 

3.未体験の経験は、人生のどこかで活きるはず

これはもう趣味でもバイトでも仕事でもなんでも同じ。人生どこで何が役に立つか分からない。意識高い系な表現をすれば自分への投資。実際に育児してみると、時間が本当に無いので凄い効率化を考えるようになった。これ、多分いつかサラリーマン生活でも役に立つと思っている。

 

時間があればダラダラ仕事をするのは良い事ではないけど許されるかもしれない。でも育児はこれが許されない。時間が無いから。だから徹底的に合理的になる。時間も金もリソースなので、合理性を追求する。これ、凄い勉強になってるよ。

 

あとね、仕事でもなんでも向上心を無くしたら人間終わりだと思っているのよ。だったらやるでしょ。成長しない奴なんてリストラされるのがオチやん。

 

 

 

仕事大好きな男性同志へ

偉そうな事を言う気はないんだ。文章がクソなのは許しておくれ。最初に書いたけど人の生き方はそれぞれだし、これが正しいなんておこがましい事を言う気もないし、言われたくもない。でもね、妻という人生の同僚が命と心と頭髪を自分の代わりにかけてくれた、と考えたらやっぱり何かしようと思うのですよ。

 

もし「育児休職を取らない理由も無いけど取る理由も無いなぁ」とか「確かに二人の子供だけどさ、育児って女の領分じゃん?」とか考えている男性はぜひ1度くらい、出産と育児を仕事に置き換えて考えてみるのをお勧めしますわ。

 

仕事に置き換えて考えた結果 「俺はやっぱり仕事だわ」と判断するのも有りだ。ただ俺は毎日、上司や取引先の顔を拝むくらいなら妻と子の顔を拝みたいよ。しかも妻も喜んでくれる。もし家族よりも上司や取引先の顔の方が拝みたいという奇特な会社に勤めているなら是非その会社を教えてくれ。いますぐ転職するわ。